和泉市府中町のだんじり祭は毎年10月の第2土日に行われる秋祭りです。昭和40年代くらいまでは例大祭の4・5・6日の3日間だったそうですがいつからか第2土日の2日間になったそうです。
昭和初期〜昭和後半にかけて自由奔放な村祭をしていたようですが、近年はギャラリーの増加、岸和田の影響(泉州文化圏のグローバル化?)などにより少しずつ「見せる祭」に変化してきているように思います。といっても昭和初期から祭やってるわけじゃないので全部聞いた話ですが・・・
なお、泉井上神社では昭和後期(?)まで神輿の巡行も行われていて、現在も神社には神輿が保存されています。
昭和55年10月祭礼 写真は市辺町 大改修前で土台に海老の彫物が施されている
府中町には中央(馬場之町)・東(東泉寺)・西(小社之町)・南(南之町)・北(市辺町)の五つの町会があり、それぞれ1台ずつ立派なだんじりを保有しています。
祭礼二日間の概要
1日目(宵宮) | 午前6:00 曳き出し 午前?? 五町青年団セレモニー・駅前パレード 午後1:00頃〜 午後曳行 午後7時頃〜 灯入れ曳行 |
2日目(本宮) | 午前?? 宮入 午前1:00〜 和泉大連合 午後4時頃〜 町内曳行 午後7時頃〜 灯入れ曳行 |
府中だんじり祭の見所
宮入
2日目の朝、泉井上神社に宮入します。府中町ではありませんが隣の郷荘連合の小田町・和気町も氏地であるため宮入。 宮入の順番は東(東泉寺)・西(小社之町)・南(南之町)・北(市辺町)・中央(馬場之町)の順で年毎年くり上げて行きます。例えば今年の宮入が東→西→南→北→中央→小田→和気だとすると来年は西→南→北→中央→東→小田→和気となります。
7台のだんじりが一箇所に留まっているのでだんじりそのものをゆっくり見るには一番いいです。 大型だんじりに中型だんじり、大正期のだんじりから平成のだんじりまで見ることができます。
迫力やにぎやかさこそありませんが古風でいい宮入だと思います。
和泉大連合
2日目午後1時ごろより府中五町のほか、近隣の郷荘連合(7台)・黒鳥地区(4台)・伯太地区(2台)の計18台が和泉府中駅前を含む周回コースを曳行します。各町気合の入った勢いのあるやり回しを披露します。泉州地域では岸和田旧市(21台)に次ぐ台数です。
近年どんどん技術も向上してきており、各町勢いあるえぇやりまわしみせてくれると思います。
灯入れ曳行
平成15年祭礼2日目 駅前ロータリーにて小社之町のやりまわし
府中町のだんじりは以前より隣の岸和田市とは違い以前から夜もやり回しをしてきました。平成10年をすぎたあたりから徐々に走らなくなった町がありますが2日目の夜には今でも何台かの夜ならではの迫力のあるやりまわしが見ることができます。
ロータリーのやり回しを終えて他の町の前を猛ダッシュで駆け抜けるだんじり・・・そしてキザミのリズムでUターン!
昼も夜も自分の頭の中ではこの光景が府中の祭で、また府中ならではの光景だと思います。
夜のやりまわしは昼にはあまり面白くない駅前ロータリーがもっとも迫力のあるおすすめポイントです。子供の頃ロータリーの正面でみてて本気で怖かったのを覚えています。またやり回しをしない町も昼とは 違い、提灯を高々と上げ、府中町内を歩きます。 提灯に明りがともっただんじりが駅前に5台並ぶのは幻想的で必見です。府中の駅前が一年で一番盛り上がるときではないでしょうか。
最後に東泉寺が伊勢音頭を謡いながら駅前から出発するのですがこれも府中でしか見ることのできないいい雰囲気です。
参考文献
「泉州だんぢり談義 十三夜物語」 若松 均氏著